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労働実務事例提供:労働新聞社

年休1カ月は月給保障か、所定労働日分で足りない?

カテゴリ
労働基準法  >  賃金関係
著作者
労働新聞社
「労働新聞」「安全スタッフ」(2009年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。

[ 質問 ]

 年休取得日の賃金について、月給(固定給)30万円の人が賃金計算期間のすべてを年休消化する場合、月給を保障するのか、あるいは暦日数から所定休日を引いた日数分を支給すればよいのでしょうか。また、原則は「通常の賃金」を支給するのですが、退職時にまとめて消化する場合は、平均賃金を支給することは可能でしょうか。

青森・D社

[ お答え ]

 年休中の賃金は、
 ① 平均賃金(労基法第12条)
 ② 所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金
 ③ 健康保険法で定める標準報酬日額に相当する額
 以上3つの中から就業規則その他これに準ずるもの(標準報酬日額の場合は、労使協定も必要)に規定したものを支払わなければなりません(労基法第39条第6項)。
 ご質問の方が月給制と仮定すると、「平均賃金」の算定方法は、算定事由が発生した日以前3カ月間に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額になります。賃金の総額には、臨時に支払われた賃金および3カ月を超える期間ごとに支払われる賃金や労働協約等に基づき現物給付として支払われたものは除きます。
 ②の「通常の賃金」は、所定労働時間働いた場合に支払われる賃金であって、臨時に支払われた賃金や時間外手当などを除くものです(昭27・9・20基発第675号)。
 ご質問では、一賃金計算期間のすべてを年休消化するということです。たとえば、通常の賃金を採用した場合、1日単位でみれば、月給を月の所定労働時間で除し、1日の所定労働時間を乗じて算定します。月の所定労働時間まるまる勤務していないわけですから、その所定労働時間に対応する金額30万円を支給することになります。
 一方で平均賃金の場合は、3カ月間に支払った賃金の総額を基に計算しますから、残業代も含めることになります。ですから、1カ月分の年休となると「通常の賃金」よりも高額になるケースもあるし、その逆もあるでしょう。一概に有利不利を考えることはできませんが、通常の賃金を採用すれば月給を保障しなければなりませんし、平均賃金なら、それに暦日数から所定休日を引いた日数分を乗じた金額で足ります。
 ただし、仮に平均賃金を選択した場合でも、「月給により算定した通常の労働日の賃金が平均賃金を上回る限りその月給を支給すれば足りる」としています(昭22・12・26基発第573号など)。もちろん、30万円を支払っても差し支えありません。
 年休の消化時に支払うべき賃金は、就業規則その他において明確に規定する必要がありますから、退職時にまとめて消化するからといって、ケースによって異なった賃金を都度選択する仕組みは認められません。



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