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労働実務事例提供:労働新聞社

始業前や後始末の時間は1日何分なら残業請求?

カテゴリ
労働基準法  >  労働時間関係
著作者
労働新聞社
「労働新聞」「安全スタッフ」(2009年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。

[ 質問 ]

 労働時間が1日8時間を超えれば時間外労働として、割増賃金を支払わなければならないわけですが、1日単位でみた場合に何分以上の残業が支給対象となるのでしょうか。作業の後始末など厳密に1分単位まで請求を認めるべきなのでしょうか。

岡山・G社

[ お答え ]

 労働時間とは、労働者が労働するために、使用者の指揮命令のもとにある時間をいいます。作業を開始する前の作業予備時間、作業終了後の整理整頓などの後始末時間も、使用者の指揮命令のもとに、または使用者の明示・黙示の指揮命令のもとに行われる限り、労働時間です。判例では、使用者の指揮命令について、「就業を命じられた業務の準備行為等を事業所内で行うことを使用者から義務付けられ、または余儀なくされたときは、当該行為は指揮命令下に置かれたものと判断することができる」(三菱重工業長崎造船所事件=最高判平12・3・9)としています。
 1日の残業時間に5分や10分の端数を生じる残業が、仕事の区切りがつくまでという趣旨ならば労働時間です。残業に付随する後始末だとしても、変わりありません。
 通常の労働時間または労働日の賃金の計算額の2割5分以上の賃金を支払わなければなりません。ここでいう、「通常の労働時間の賃金」とは、月による賃金額を「月における所定労働時間数(月によって所定労働時間数が異なる場合には、1年間における1カ月平均所定労働時間数)」で除して算出します(労基則第19条第1項)。
 一般的には、時給の計算は15分単位や30分単位で集計される事が多いようです。中には1時間単位など、もっと大まかに計算している場合もあるかもしれません。しかし、実際に残業した時間は、1分といえども残業時間ですから、端数をつけたまま1カ月間集計し、その時間に割増賃金を支払わなければなりません。たとえ、5分、10分程度の残業であったとしても、日ごとに切り捨てることはできません。
 たとえば、毎日、1時間5分とか1時間10分の残業を命じ、1日ごとの端数を切り捨てる場合を考えていたのであれば、違法です。
 ただし、分単位の端数をつけたまま1カ月を集計し、1カ月の残業時間の総時間数に30分未満の端数があるときは切り捨て、30分以上は1時間に切り上げて計算することは差し支えありません。
 1カ月における時間外労働、休日労働および深夜労働の各々の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数は切り捨て、それ以上を1時間に切り上げることは、「常に労働者の不利になるものではなく、事務簡便を目的としたものであるから、法第24条(賃金の支払い)および法第37条(時間外、休日および深夜の割増賃金)違反としては取り扱わない」(昭63・3・14基発第150号)として、労基法違反ではないと解されています。



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