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労働実務事例提供:労働新聞社

部長兼任し役員報酬上乗せ、取締役就任で資格喪失か

カテゴリ
雇用保険法  >  総則関係
著作者
労働新聞社
「労働新聞」「安全スタッフ」(2009年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。

[ 質問 ]

 当社では、現在、代表取締役2人を含めて、取締役10人を置いていますが、今度、取締役の1人が退任したことに伴い、総務部長が部長兼任のまま取締役に就任しました。部長としての給与は従来どおり支給し、取締役報酬を上乗せして支給することになります。この場合、新たに取締役となる総務部長の被保険者資格や失業したときの給付はどのようになるのでしょうか。

群馬・U社

[ お答え ]

 雇用保険は、雇用労働者を対象とするものであり、請負事業を行う者や委任を受けて仕事を行う者など労働者性のない者は、雇用保険の被保険者となりません。会社と取締役、監査役などとの関係は、雇用契約ではなく委任契約に基づくものですから、取締役などはその限りでは雇用労働者に該当せず、被保険者とはなりません。
 ただし、会社を代表しない取締役については、同時に会社の部長、支店長、工場長など会社の従業員としての身分も併せて有し、従業員としての就労と取締役としての職務の双方を行う場合があるため、このような場合は、当該取締役について労働者的性格が強いかどうかを判断し、会社との間に雇用契約があると認められる者は、被保険者として取り扱うこととしています。
 労働者的性格が強いかどうかについては、報酬支払いの面、その者の就労の実態、就業規則の適用状況などを考慮して総合的に判断されます。
 例えば、部長、支店長、工場長等会社の従業員としての就労に対して支払われる賃金が役員報酬より多額であり、就労実態も従業員とおおむね同様であるなど労働者的性格が強い場合には、被保険者として取り扱われることになるわけです。これに対し、株式会社の代表取締役、有限会社の会社を代表すべき取締役などについては、雇用関係ということはあり得ないので、一律に被保険者になりません。
 ご質問の場合については、前記のような観点から被保険者となるかどうかを判断しますが、もし、被保険者とならないと判断される場合は、取締役に就任する時点で被保険者資格を喪失することになります。
 次に、取締役に就任した後も労働者的性格が強く、引き続き被保険者となると判断される場合は、取締役としての地位に基づいて受ける役員報酬が、保険料およびその者が失業した場合における失業給付の算定の基礎となる賃金に含まれるかどうかが問題となりますが、雇用保険において賃金とは、労働の対償として事業主から支払われた部分に限られますので、役員報酬部分はこれに含まれません。したがって、部長、支店長、工場長など会社の従業員としての身分について、労働の対償として支払いを受けた賃金に基づいて保険料および失業した場合において支給される基本手当の日額が算定されることになります。



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