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労働実務事例提供:労働新聞社

〝臨時工〟だと除外?加入資格に制限はあるか

カテゴリ
労災保険法  >  総則関係
著作者
労働新聞社
「労働新聞」「安全スタッフ」(2010年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。

[ 質問 ]

 雇用保険や健康保険では加入者について、いろいろと制限があり、よくマスコミなどで問題になることがあるようです。その点で労災保険は加入資格に制限がないようですが、そう考えてもよいのでしょうか。新聞や雑誌への投書などを見ますと、臨時工のために労災保険の適用がないという訴えを見たりしますが、いかがでしょうか。

千葉・D社

[ お答え ]

 労災保険の適用
 労災保険の加入資格には制限がないかというご質問ですが、全く制限がないわけではありません。まず、労災保険には関係ない人がいます。その第1番目は国家公務員です。国家公務員には職業安定所や労基署に勤務する一般職の公務員と、裁判所や防衛省等に勤務する特別職の公務員がいますが(国家公務員法第2条)、常勤職員はもとより非常勤職員も含めて労災保険法は適用されません。これらの職員については、国家公務員災害補償保険法第3条が適用され、それぞれ使用者側が災害補償を行うことになります。
 次に地方公務員ですが、常勤職員(常勤職員と同じ勤務状態の非常勤職員も含む)には労災保険法は適用されません(地方公務員災害補償保険法第67条)。災害補償は地方公務員災害補償基金が行います。非現業の非常勤職員にも労災保険法の適用はなく、都道府県や市町村それぞれの制定している災害補償条例が適用されます。
 船員についても労災保険法の適用はなかったのですが、適用対象に加えられました(平成22年1月1日以降)。
 以上に述べた以外の人については労災保険が適用されますが、これには何も制限がないかというとそうではなく、「労働者」に該当することという大きなしばりがかかっています。では、その労働者というのはどのような人をいうのかといいますと、それは労働基準法第9条に規定されているとおり、職業の種類を問わず、事業または事務所に使用される者で、賃金を支払われる者ということです。では、賃金はというと、それについては労働基準法第11条に規定されているとおりということです。
 もっとも、労災保険に加入できるのは、必ずしも労働者に限らず、特別加入者(労災保険法第33条)という制度のもあるので注意する必要があります。さらに、労働者であっても特別に加入手続をとらないと加入したことにならない任意加入事業(暫定任意適用事業と称し、一定の第1次産業が対象)の労働者もあるので注意する必要があります。
 一般的には、労働者に該当する限りは、その事業主が労災保険の加入手続を全くしないでも、労働者に該当した瞬間に労災保険に加入したことになります(労働保険の保険料の徴収等に関する法律第3条)。
被保険者
 前述したように、労働者になった瞬間に自動的に労災保険の受給資格が発生するのは、何かおかしい感じがします。しかし、労災保険が健康保険などと違っているのは、労働者個人が保険に加入し、保険証をそれぞれがもらうのではなく、労災保険は事業について成立するからでしょう。したがって、その事業の労働者として使用されることになった瞬間に、労災保険の受給資格も生ずることになるのでしょう。したがって、病院に行くにも保険証を持参して提示するのではなく、事業主の証明した療養給付請求書を提出することになります。
 戦前には労災保険法はなく、労働者災害扶助責任保険法という法律がありました。
 それは現在と違って、労働者が保険給付を受けるのではなく、工場法などに規定している災害補償(災害扶助責任と称しましたが)を行った事業主に対して保険給付を行ったのです(同法第2条)。したがって、保険の利益を受けたのは労働者でなく事業主でした。
 実は労災保険法が制定されるときも、最初の案では、労働基準法第8章の規定する災害補償を行った使用者に保険給付する案だったのです。それを進駐軍がどうしても認めなかったために、現在のように労働者側に保険給付することになったものです。
 したがって、労働基準法の第84条第1項のような規定もあるわけですが、これをみると労災保険法による利益を受けるのは、休業最初の3日分の休業補償の実施を除いては、災害補償責任を免れる事業主であるともいえます。したがって、保険関係が事業について成立するのは当然かもしれません。またそのような事業に使用されることになった労働者は、それと同時に労災保険の受給資格ができても当然のことかもしれません、ということでしょう。



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