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労働実務事例提供:労働新聞社

暦月の半ばに死亡したとき、労災年金は日割り計算?

カテゴリ
労災保険法  >  保険給付関係
著作者
労働新聞社
「労働新聞」「安全スタッフ」(2011年1月~12月掲載文)
法改正等で現在の正確な内容と異なる場合があります。

[ 質問 ]

 労災保険には傷病、障害、遺族について年金制度があると聞きました。この年金の場合に支給される期間がよく分かりません。例えば、遺族年金の場合には、労働者が死亡した日の翌日から計算されるのでしょうか。2カ月分ずつ年6回に分けて支払われるようですが、1番最初の月は死亡した日の翌日からの計算で支払われ、その次からは定額が支払われるのでしょうか。それとも、最初の2カ月間から定額が支給されるのでしょうか。

【三重・T生】

[ お答え ]

 まず最初に申し上げたいことは、労働者が死亡したり障害を残した場合に給付されるのは、年金だけではないということです。分かりやすいように死亡について説明しましょう。
 それは誰でも考えれば分かることは、労働災害による労働者の死亡といっても、すぐに死亡する場合と数日経過してから死亡する場合とがあります。例えば、じん肺等の疾患では数日どころか何年もの長い期間が経過してから死亡する場合もあります。そのような場合には、いきなり最初から年金支給ということではなく、最初はまず休業補償給付の支給ということから開始されます。
 もっとも、労働災害(通勤災害でも同じですが)の被災者に労災保険関係が成立していますと、労災保険法第14条第1項も、休業補償給付は、労働者が業務上の負傷または疾病による療養のため労働することができないために賃金を受けない日の第4日目から支給するとありますから、最初の3日間の休業期間については、休業補償は労基法第76条第1項の規定に基づいて、事業主が行うことになります。労災保険から休業補償給付が支給されるのは休業4日目以降の分となります。
 ところで、厚生労働省労働基準局長通達によりますと、その災害の発生した時間が、その事業場の所定労働時間内でなく、その後の残業中の発生ですと、その日は休業日数に算入しないとなっています(昭27・8・8基収第3208号)。
 したがって、どのような場合でも災害発生当日より休業補償が事業主から行われると考えていると間違います。ですから、ご質問にありますように、労働者が死亡した翌日から年金を計算して日割りで支給されるというようなことは、休業補償給付の問題も含めて考える必要があるということです。災害発生と同時に死亡という例えば爆発の現場の中心にいた場合等は簡単ですが、休業補償が問題になる死亡災害も多いのではないでしょうか。この場合には少し複雑です。
死亡の年金は
 では、休業期間の有無に関係なく、例えば死亡者の遺族に対する年金の支給はどうなるのでしょうか。そのことについては、労災保険法第9条第1項に規定されています。
 その規定によりますと、「支給すべき事由の生じた月の翌月から始め、」「支給を受ける権利が消滅した月で終わるものとする」ということです。
 なお、支給される年金の額は遺族の人数により一定しています。障害年金の場合には障害の等級によります。傷病の年金の場合も同じです。そうしますと、年金の支払いは日単位ではなく月単位ですから、年金の支払いを受ける側からみれば、死亡の日が月の初めに近い日であった場合と、月の末日に近い日であった場合では、相当の損得が生ずるように感じるかもしれません。しかも、それが数十年も続くとしたら差額は拡大します。
 考えてみますと、年金の開始月については、なるべく月末近くに死亡したほうが貰い分が有利になり、年金の終了月については、なるべく月の開始日に近いほうが、貰い分が有利になるような気がします。どちらも丸まる1カ月分の年金をもらえますから。労災により死亡した日が月末に近かった遺族はそれによる利益と、年金の権利が消滅するのが月末に近ければそれによる不利益とがその逆の遺族と均衡することになるかもしれません。
 しかし、みんなそんなにうまくいくとも考えられませんが、長い期間にわたって統計をとってみると案外そんなことになるのかもしれません。したがって、あまり目くじらを立てて騒ぐほどのことではないかもしれません。
 年金の問題としては、そんなことよりも、年金の額の問題、等級の問題、他の似たような社会保険の年金との調整問題、受給資格の問題等の重要な問題がたくさんありますので、そのような問題について議論を重ねたほうが収穫が大きいのではないでしょうか。



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