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コラムの泉

育児休業を3年取得させるということについて

カテゴリ
労務管理  >  全般
最終更新日
2013年05月31日 10:07
著者
原 労務安全衛生管理コンサルタント事務所 さん
ポイント
299,605ポイント
ポイントランキング100

育児休業3年間ということについての可否が話題になっています。

これまで育児や家族の介護に取り組んできたのは、女性が主でした。
女性の就業状況については、以前より、M字カーブをたどっています。
学校卒業とともに就職しますが、
その後、結婚、出産、育児等を機に、一旦女性の就業率が下がり、
子育てが落ち着いた状況でもう一度就業するものの、
家族介護等生じる際に、再び離職する者も生じてきます。

雇入れとともに、時間とお金をかけて一人前に仕上げた労働者が離職すると、
当然新たに雇い入れ、再び時間とお金をかけて一人前にする必要が生じます。


女性に限った話ではないが、せっかく一人前にした労働者を、
結婚や出産、育児をするということだけを理由に離職させてしまうのは、
非常にもったいない話です。
 
就業する側の視点に立つと、女性が再び就業する際にはハードルが高くなり、
責任や条件の低い短時間勤務者などこれまで培った能力を十分に発揮できないような
業務に就くことになりますので、その能力を埋もらせてしまうこととなってしまいます。

現在、世帯における共稼ぎの割合は22年データで56%(1012万)であり、
半分以上の世帯が夫婦共稼ぎという実態です。

ただ、共稼ぎ世帯においても、男性が家事育児にかける時間数は伸びていません。
男性の家庭参加の時間数が伸びることで、出生率が伸びるという
他の国のデータにもありますが、ここに出生率が増えない原因の一つがあると思います。


今後出生率を上げていかないと、労働力人口は減少の一途をたどることになります。

医療技術の向上により、高齢者がより長生きでき、
子供を産む女性の減少により、子供の数が減少傾向となり、
これからますます少子高齢化が進んでいくことになります。

また、結婚しない者も増えていますが、全体的に晩婚化の傾向であり、
子供も産む人数も減ってしまうでしょう。
面白いデータがあります。

 平均婚姻年齢

昭和22年     男  26歳     女  23歳
平成22年      男 30.5歳     女 28.8歳

合計特殊出生率
    昭和22年  4.5人超
    平成22年  1.37人

平成22年の数字は、以前よりは向上したものの、
人口定着の目安となる2.08人には、程遠い状況です。

いずれ、数十年後に日本の人口が現在の半分にまで減少するおそれがあります。

結果として、日本社会に大きな打撃を与えることとなってしまいます。

人口が減ると、税収の減少、年金財源の縮小、市場の縮小、
併せて経済活動の縮小が生じてしまいます。

その結果、労働者が就労すべき企業の淘汰が進むことで、
さらに出産困難な環境が生まれ、悪循環が繰り返されてしまいます。
速やかに対策を講じなければ、

日本の社会制度の崩壊を招きかねない事態を生むことになってしまいます。

移民政策など検討しないといけないかもしれません。 


少なくとも、育児・介護に関しては、休業や短時間勤務などの制度によって、
ある一定の時期をしのいで、責任を持った立場で再びその者を戦力として使用すること、
あるいは、男性が育児や介護などの家庭生活に参加しやすい環境をつくることにより、
出生率を上げる必要があると思います。


これらの対策として、大きな柱として時限立法の次世代育成支援対策推進法が制定され、
17年から10年間、国、地方、企業が数々の行動に取り組んでいることになっています。


企業淘汰が進む上、保険の費用負担も益々進む恐れがあることから、
日本全体としての労働力人口を確保させるというのは、
各企業にとっても、本来は大きな命題であるはずです。

高齢者を支えることになる労働力人口(15から64歳)が大幅に減少している現状があります。

  昭和25年 10人で1人の高齢者(65歳以上)

  平成22年 2.6人で1人の高齢者

  平成62年 1.2人で1人の高齢者を支える(予測値)

既に、厚生年金の等級上限を引き上げや、
健保における介護保険料の引き上げなどが検討に入っています。

これら負担を少しでも軽減するためには、1つの会社が頑張ってみてもどうしようもなく、
各企業統一となる法令により、全企業において育児・介護休業等の制度の導入を
義務化させることで、労働力人口の確保を図り、出生率のアップを目指し、
結果的に各企業における経済活動の安定化、人材の確保を図ろうということが
マクロ的な見地からの意見です。 

そうは言うものの、従業員が育児や介護により勤務を欠いている間、
そのフォローをどうするのかという問題は、当然に生じてきます。

大企業なら、ある程度のキャパシティがあるから乗り切れますが、
少数の企業であれば、難しいのも現状です。

行政としては、それを助成金など言うばら撒きにより
各企業に対応して乗り切ってもらおうとしていますが、
当然1人分を確保できるばら撒きではない上、
業務の関係上お金だけでは解決しないこともあります。

いない間の代替をどうするのかというリスク回避が重要な問題でなのです。

ただ、これらのリスクは、年次有給休暇の取得なども同様ですが、
いつ生じるかわからないものです。

常に、背負ったリスクをどう軽減させるかということを考えておかなければ、
そのリスクが現実となった際に、全く対応できないということになってしまいます。

派遣や臨時従業員で対応できる業務であれば問題は少ないと思いますが、
そういう業務でないことも当然あります。

全ての業務について、複数で対応できるような仕組みを作り、
一人欠けてももう1名で対応する、
対応している間、別の者をフォローさせるなどにより、
そのリスクを軽減する方法、
また、業務間の配置転換を常に図り、必ず2つ以上の仕事をこなせるようにする方法など、
対応は様々あるかもしれません。

企業のシステムを変えることで、労働時間などの問題も併せて改善でき、
業務の効率化を目指すということにもつながります。

理想論では、専門性を持たせるより、総合的に対応できる事の方がいいけれども、
人数の少ない企業においては、そういったことが取れないこともあるし、
技術職のような仕事では代替性がきかないようなものもあります。

しかし、それらの者がトラブルになり退職した場合どうするのか、
退職の場合に、残った年休をまとめて取得して引き継ぎも行わずに
会社に出勤してこないことも生ずる恐れはあります。

その場合、その者が行っていた業務すべてがストップしてしまうことになってしまいます。

また、ずっとその業務を任せていた者が不正を働いていた場合、
誰も把握できないまま、あとで取り返しのつかない状況で発覚してしまうという
最悪のケースもあり得る話です。

よくある経理担当者の業務上横領での逮捕のニュースなどは、
その典型例ともいえるでしょう。

企業活動は利益を上げることが目的であり、
その金員の動きがどうなっているのかという経理は、
企業活動目的の中心となるものであり、
本来、一人の担当者に任せてしまうというリスクは、非常に大きいことです。


企業活動を行う上で、リスクはつきものですので、
このリスクを如何に軽減させるのかということが重要だとおもいます。


代替がいない者が、長期の年休を取得しようとした場合、
取得をやめるよう説得することは、リスクの軽減ではなく新たなリスクの発生です。

これらの観点から、最近話題の育児休業3年間を考えていただき、
リスクの軽減、さらに、制度の整備を図り、有能な労働者を確保して、
今後の超高齢化社会を乗り切っていただきたいと思うところです。



非常に長文になってしまい、申し訳ございません。

お付き合いいただきありがとうございました。



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