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コラムの泉

降格希望者に潜むかもしれない発達障害

カテゴリ
労務管理  >  労働安全衛生
最終更新日
2016年04月15日 16:21
著者
株式会社 なごや産業医事務所 さん
ポイント
65,139ポイント
ポイントランキング100

人事担当者:「先生、2016年4月12日付の日経新聞読みました?」
小太り産業医:「読んだけど、何かあった?」
人事担当者:「この記事ですよ!”引き算の世界(1)出世イヤ、若者増殖中 魅力薄れ、ほどほど望む ”です。」
小太り産業医:「あ~ぁ、見たよ。結構こういう人が最近多くなってきて、他のクライアントでも問題になっているよ。」
人事担当者:「そうなんですよ。人事としても困っちゃうんですよね。せっかく昇進しても、平気で降格希望を出してくると、人事の眼力が無い!と言われるんですね!」
小太り産業医:(確かにお前は無駄な”目力”はあるが、”眼力”は無いな・・・)
      :「メンタルがやられていない人は人事か上司に言い、私の所には、メンタル不調で降格希望を伝えてくるね。でも、もしかしたらどちらも同じ素因が背後にあるかもしれないよ。」
人事担当者:「それってどういうことですか?」

小太り産業医シリーズもだいぶお休みしておりました。
全国の小太り産業医ファンの皆さん、申し訳ありません。小太りなのでいろんなことが不精なのです。遅筆で筆不精、すいません。

さて、本題です。
2016年4月12日付の日経新聞に”引き算の世界(1)出世イヤ、若者増殖中 魅力薄れ、ほどほど望む ”
http://www.nikkei.com/paper/article/?ng=DGKKZO98989540Z20C16A3CC1000
という記事が載りました。

この記事を読んでの小太り産業医の最初の感想は”い・ま・ご・ろ・?”(滝川クリステル風に)です。
こんな考えの従業員の面談がここ数年増えてますね。

人事担当者ならよくわかると思いますが、ここ最近の若者が会社を選択する基準が”休日出勤がない”、”福利厚生が充実している”、”家から近い”などなど、昔と比べてだいぶ変わってきています。

小太り産業医は40代前半でバブルをほんの一口かじっただけですが、それでも同級生はまだ上昇志向がある方です。今の30代前半以下はどちらかといえば、”自分の生活を大事にしたい”と考えています。夫婦共働きで世帯収入が手取りでそこそこあり、子供もいるけど定時で帰ることができるので保育園などに預けることができれば、問題ない。そして、家族と過ごす時間、休日に趣味を持てる時間があればこれ以上望まない。

職制が上がって、責任も重くなり、時間外が増加したが、給料の上昇はちょっぴり。
ドライな若者は、「だったら、現状のままでいいや。」と思うのです。
ここまでは、メンタル”非”不調者の話です。

さて、小太り産業医が面談するのはメンタル不調者です。メンタル不調者が降格希望を言い出してきた場合、私は少し考えます。なぜなら、うつ病の背景に”発達障害”が隠れていることが多いからです。これは以前から精神科の先生の間でも言われていることで、抗うつ薬を内服しても改善しない場合は、”発達障害”を疑った方が良いと。発達障害の方は、周囲との齟齬を常に感じながら日常生活を送っています。

「なんで、こんなことで怒られるんだ?」「自分の意見を述べただけなのに、なんでこんなに非難されるんだ?」などです。これらのストレスが蓄積してしまい、うつ病を発症してしまうケースが多々あるようです。もちろん、ベースに発達障害があるので抗うつ薬を内服しても、改善がないのは当たり前です。

多くの場合、人間関係、仕事の量、責任の重さなどをストレスに感じて発症することが多いでしょう。
しかし、「自分の仕事をやりつつ部下の仕事のマネジメント、突発的な仕事があるとイライラする、他部署との折衝などが・・・。」と言われると、もしかしたら・・・、と思います。

前回の大人の発達障害でも述べましたが、苦手なことがあります。

マルチタスクが苦手:自分と部下のマネジメント
突然の計画変更に対応できない:突発的な仕事があるとイライラする
コミュニケーションが苦手:他部署との折衝

最近の仕事は人手不足でプレイングマネージャーが増えてきており、管理職はマルチタスクをこなさないと、仕事が進みません。もちろん、すべて発達障害と決めつけるのは乱暴なので、一つ一つじっくりと話を聞きながら考えますが、背後に発達障害が潜んでいる可能性を考えながら面談します。

発達障害の可能性が高い場合は、本人と会社と相談しながら、適所や降格も考えます。実際に降格に応じてくれた会社もあります。
降格に応じてもらえなかったり、そもそも降格が就業規則にない場合、結局無理に働くことになってしまい、本人にとってもハッピーにならないことが多いですね。メンタル不調者もしくはそうでないにしても、降格希望者の背後に潜む発達障害の可能性を探りながら面談を進めるにはテクニックが必要です。

御社の産業医にそのテクニックはありますか?


人事担当者:「ボクも降格希望だそうかなぁ。」
小太り産業医:「えっ!何か役職ついてた?」
人事担当者:「宴会部長です!」
小太り産業医:「・・・。」

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文責:新井 孝典(あらい こうすけ)
 株式会社 なごや産業医事務所:http://nagoya-sangyoui.com/
 代表取締役 所長
 認定産業医/労働衛生コンサルタント
 認定内科医/循環器内科専門医
 日本ストレスチェック協会理事・ファシリテーター:https://jsca.co.jp/
 
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