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コラムの泉

月収88,000円ギリギリで社会保険には加入させない企業

カテゴリ
労務管理  >  全般
最終更新日
2017年01月05日 13:11
著者
社会保険労務士 山口正博事務所 さん
ポイント
5,814,084ポイント
ポイントランキング100







2016年12月30日号 (no. 956)
3分労働ぷちコラム バックナンバーはこちら
http://www.soumunomori.com/profile/uid-20903/





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---3分労働ぷちコラム---
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本日のテーマ【月収88,000円ギリギリで社会保険には加入させない企業】
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■希望通りに社会保険に加入できるとは限らない。


2016年10月から、社会保険に加入するパートタイマーの範囲が広がりましたが、どれぐらいの人が新規で社会保険に加入したでしょうか。

今まで加入対象ではなかった人たちがドドッと被保険者資格を取得して、被保険者になるかのように思っていたフシがありますが、実際はどうか。

従来だと、フルタイム社員と比べて3/4以上の勤務時間(もう少し条件は細かいですが、今回は話を簡単にするため単純にしておきます)ならば社会保険に加入していました。つまり、フルタイム社員が週40時間勤務ならば、パートタイマーだと週30時間以上で勤務している場合、そのパートタイマーの人は社会保険に加入していました。

10月以降は、3/4という基準ではなく、月収88,000円、週20時間以上が基準(従業員数の条件もありますが、今回は月収と勤務時間数だけで判断します)になりましたから、以前のように週30時間以上でなくても社会保険に加入する基準を満たす人が出てきます。


では、例えば週23時間、月収90,000円で働くパートタイマーの人(名前を「佐々木さん」としましょう)がいたとしましょう。10月以降の基準では、この佐々木さんは社会保険に加入するはずです。

「はず」と書いたのは、あくまで加入基準を満たしている状態であって、実際に加入するかどうかは別の話です。

週23時間働いていて、月収は90,000円。何の問題も無く佐々木さんは社会保険に加入すると思えるのですが、実際に加入できるでしょうか。

もちろん、基準は満たしているので加入はできます。しかし、会社側で加入をOKするかどうか。ここが問題です。

もし、加入基準を満たしているのに加入しなければ、未加入になり、後日、遡及加入するなどの面倒な事態になります。


ここで会社側が、勤務時間を調整して、佐々木さんが社会保険に加入しないようにしてくる可能性があります。

もし、佐々木さんが健康保険被扶養者になっており、国民年金では第3号被保険者という身分であるならば、おそらく佐々木さんが自らの希望で「社会保険に入らないように時間数を減らしてください」と会社に要望を出すでしょう。

会社経由で社会保険に加入しないならば、社会保険料は必要ありませんから、会社としては佐々木さんの要望通りに勤務時間を減らして、加入基準を下回るようにします。


一方、佐々木さんが自分自身で社会保険に加入したいと希望したとき、会社はその希望通りに社会保険に加入させるでしょうか。

この場合、佐々木さんは国民健康保険国民年金に加入しており、今までは自分で社会保険料を支払っていたが、今後は会社経由で社会保険に加入して、社会保険料の負担を減らしたいと考えていたとしましょう。

保険料の半分を会社が負担し、残りの半分を本人が負担するので、本人にとっては悪くない選択です。

加入条件を満たしていることだし、本人の希望もあるので、そのままスンナリと社会保険に加入するかと思いきや、現実はそうならない可能性があります。


月収88,000円を以上になったら社会保険に加入しないといけない、と注意を喚起する人もいますが、現場では収入基準ギリギリで加入する人は稀なのではないでしょうか。

加入基準ギリギリで働いている人がいた場合、加入基準を超えないように働く時間を減らして欲しいと会社側から要求され、本人の希望通りには加入できない。そういう場合も想定できます。





■フルタイム社員には「調整弁」があるが、パートタイマーには無い。


フルタイム社員が社会保険に加入する場合と、パートタイマーが社会保険に加入する場合では企業の負担が異なります。そのため、フルタイム社員が社会保険に入るのはいいけど、パートタイムの人が社会保険に加入するのは反対、と考えている経営者もいるでしょう。

パートタイマーが多い業界、外食や小売の経営者はパートタイマーが社会保険に加入することに消極的なはずです。

これは差別というわけではなく、保険料の負担構造の違いが理由です。

フルタイム社員ならば、保険に加入するなり保険料がアップすることによって、社会保険料の負担が増えたとしても、賞与退職金を調整すれば、費用負担の増加を限りなくゼロにできてしまいます。

例えば、保険料率がアップし、社会保険料が年間で10万円増えたとして、その一方で賞与を10万円減らせば、企業の実質負担は増えません。賞与以外にも、退職金企業年金の方で調整するのもアリです。毎月の給与(社会保険料も含む)が増えれば、賞与が減る。逆に、賞与を増やすならば、毎月の給与をちょっと減らす。このようなトレードオフがあります。


賞与なり退職金は「調整弁」と表現できますし、「人質」、「担保」という表現でも実態に近いものになります。

毎月の給与は少なめだけれども、賞与が120万円とか230万円という会社がありますが、「これは賞与で調整しているな、、」と私は考えてしまいます。


一方、パートタイマーの場合は、賞与退職金企業年金が無い場合が多いですので、社会保険料の増加分を吸収する調整弁がありません。そのため、パートタイマーが社会保険に加入すると、そのまま費用が上乗せされるため、回避する手段がありません。

それゆえ、フルタイム社員が社会保険に入るのは平気だが、パートタイマーが社会保険に加入するのはちょっと待ったと言うわけです。






■月収88,000円ギリギリで社会保険に加入したら、保険料はいくら?


月収88,000円の基準ピッタリで加入した場合の保険料がいくらになるか調べてみましょう。

まず健康保険から。

勤務地が神奈川県だとすると、健康保険料は9.97%で、月収88,000円だと、保険料は8,773円。


http://www.growthwk.com/entry/2016/02/03/132906
標準報酬月額 簡易閲覧表(H28/4 - )


さらに、厚生年金保険料は、16,000円。


平成28年10月からの厚生年金保険
https://www.buyers24.net/pdf/kousei201610_1.pdf


両方合わせると、24,773円です。



収入に占める社会保険料の割合は、約28.2%。社会保険料も給与の一部だと考えると、実質的な月収は112,773円です。

会社が負担する社会保険料は、半分の12,387円ですが、12ヶ月で148,644円。この金額がそのまま費用の増加となります。

賞与なり退職金があれば、年間で約15万円の社会保険料をある程度まで吸収することもできるでしょうが、それらが無いパートタイマーの場合は吸収する方法がありません。



社会保険に加入できる対象者が広がったと思われている今回の制度変更ですが、加入しないように勤務時間を減らされただけに終わった人も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

雇用保険の加入条件のようにユルユルにすれば、社会保険に加入できない人も減ります(パートタイマーのほぼ全員が加入対象になる)が、そうなると健康保険被扶養者制度や国民年金第3号被保険者制度の対象者が反対してくるでしょう。さらに、パートタイマーの数が多い業界も同様。

本気でパートタイマーを社会保険に加入させる気があるならば、被扶養者制度や第3号被保険者制度の対象者を激減(もしくは廃止)させてでも加入基準を下げるべきですが、中途半端に加入基準を緩和すると、今回のように加入抑制が起こって、思った通りの効果が出ないのです。






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カードを使わないタイムカード Clockperiod のご紹介です。


タイムカードを使うときに負担なのは、専用の打刻機を用意しなければいけないし、
新しい紙のカードを毎月作らないといけない。さらに、カードを見ながら、電卓や
表計算ソフトで勤務時間を集計しないといけない。

しかも、給与の締め日から支給日までの短期間で集計作業をしないといけないので、
作業する人にとっては勤務時間の集計は悩みのタネですよね。

そんな悩みをどうやって解決するか。

そこで、電子タイムカードの Clockperiod が登場です。


Clockperiod は、紙のカードと打刻機を使わない電子タイムカードですから、
打刻機を用意しなくても勤務時間を記録できますし、給与計算のためにカードを
集める必要はありません。さらに、毎月、新しい紙のカードに社員全員の名前を
書いてカードストッカーに入れることもなくなります。


始業や終業、時間外勤務休日勤務の出勤時間を自動的に集計できれば勤怠集計
の作業は随分とラクになるはず。

Clockperiodは、出退勤の時刻をタイムカード無しで記録できます。タイムカード
出勤簿勤務時間を管理している企業にオススメです。
さらに、タイムカードのコピーをメールで送信して社員ごとに保存することができ
ますので、個人別に毎月の勤務記録を取り置くことができます。
また、勤務記録の改ざんや不正な打刻を把握できるログ機能もあります。

▽    ▽   < Clockperiodの利用はこちら >    ▽    ▽
https://www.clockperiod.com/Features?utm_source=soumu&utm_medium=cm&utm_campaign=soumu_cm_clockperiod_common_20161230_5



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残業で悩んでいませんか?

「長時間の残業が続いている」
残業代の支払いが多い」
「残業が減らない」

こういう悩み、よくありますよね。

ニュースでも未払い残業代の話題がチラホラと出てくるぐらい、残業に対する関心は高くなっています。

法律では、1日に8時間まで、1週間では40時間までしか仕事ができません。その水準を超えてしまうと、残業となり、割増賃金が必要になります。

とはいえ、1日で8時間と固定されていると不便だと感じませんか? 1週間で40時間と固定されていると不便だと感じませんか?


毎日8時間の時間制限があると、柔軟に勤務時間を配分できませんよね。

例えば、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。

でも、実は、「月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務なので、残業は無し」こんなことができる仕組みがあるんです。

「えっ!? そんな仕組みがあるの?」と思った方は、ぜひ『残業管理のアメと罠』を読んでみてください。


『残業管理のアメと罠』
http://www.growthwk.com/entry/2012/05/22/162343?utm_source=soumu&utm_medium=cm&utm_campaign=soumu_cm_common_20161230_5



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