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コラムの泉

特許実施契約と瑕疵担保責任

カテゴリ
企業法務  >  知的財産権
最終更新日
2017年08月29日 12:04
著者
弁護士法人クラフトマン さん
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弁護士法人クラフトマン 第203号 2017-08-29

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1 今回の事例 特許実施契約瑕疵担保責任
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知的財産高等裁判所平成29年5月17日判決

 A社は、「汚染土壌の固化不溶化方法」の特許(本件特許)権を
持つB社との間で、本件特許権の実施に関する特許実施許諾契約
締結しました。

 A社は、本件特許の実施製品である汚染土壌の固化・不溶化用製
品を製造、販売しました。しかし、A社がその販売につき契約に基
づく実施料を支払わなかったことから、B社がA社に対して未払実
施料を請求する訴訟を起こしました。

 これに対し、A社は、本件特許は無効理由が存在するので契約
目的物に「瑕疵」があり、「瑕疵担保責任」によって解除した、と
主張しました(ほかにも契約が無効だとする理由を色々と主張しま
したが、今回は省略します)。

 そこで、A社とB社の特許実施許諾契約について、瑕疵担保責任
による解除が認められるのかが問題となりました。




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2 裁判所の判断
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 裁判所は、以下のように判断して、一審・控訴審ともに瑕疵担保
責任に基づく解除を認めませんでした。

● 仮に特許実施契約瑕疵担保責任の規定を適用することは否定
しないとしても、本件特許権は現時点で有効に存在しており、特許
無効審判が請求されているわけでもない。

● 本件の契約は、本件特許に関する知識を有する事業者どうしに
より締結されたものであり、A社が主張する無効理由も、A社は本
契約時に認識していたか、当然認識し得たと考えられる。

● 特許発明が技術的に実施不能である場合などには、ライセンシ
ーが実施料支払義務を負わないと解する余地もあるが、本件特許
明が技術的に実施不能であったとは認められず、実際に、A社は、
本件特許発明を実施、再実施許諾してその利益を受けることができ
ているのであるから、A社の主張する瑕疵によって契約の目的を達
することができないというわけでもない。

● したがって、特許実施許諾契約瑕疵があるから担保責任に基
づき解除したというA社の主張は認められない。




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3 解説
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(1)瑕疵担保責任特許権実施契約


 瑕疵担保責任民法570条)とは、売買契約など有償契約の目
的物に「瑕疵」(かし)があり、それが取引上要求される通常の注
意をしても気付かない「隠れた」ものである場合に、給付側(売主
請負人など)の当事者が相手方に対して負う責任をいいます。

 この「瑕疵」とは、取引上普通に要求される品質が欠けているな
ど、欠陥がある状態をいいます。分かりやすい例でいえば、受注生
産の機械の売買契約で、購入後使用していたところ不具合が見つか
った、という場合などがあります。

 そして、「瑕疵担保担保責任」の具体的な効果として、民法は損
害賠償義務を定めるほか、瑕疵があるために契約をした目的を達す
ることができないときは契約の解除が認められています。

 そのため、本件で、A社は、特許実施契約の目的たる特許権には
無効理由という「瑕疵」がある、と主張したわけです。

 
(2)特許ライセンスとライセンシーの調査義務
 
 本件では、「隠れた」瑕疵かという点に関わり、ライセンシーで
あるA社の契約当時の認識が問われましたが、事業者たるA社は、
「認識し得た」、つまり「隠れた瑕疵」ではない、という判断がさ
れました。

 このように、ライセンシー側には、契約締結にあたって、許諾を
受けようとする特許の技術的範囲や無効理由の有無などは、自ら調
査する義務や責任があると考える必要があります。この点を十分に
調査せずに契約をスタートさせても、後になって「知らなかった」
と主張することはハードルが高いと考えておく必要があります。

 確かに、ある特許発明の技術的範囲や無効理由の有無などを調査
するには専門家の助力が必要であり、手間・時間とコストがかかり
ますが、特に関係する特許が自社の事業を大きく左右するような重
要なものであれば、後々リスクが顕在化した場合や紛争時の莫大な
負担を避けるために、専門家にその特許と自社の事業との関係など
を調査してもらうことは決して無駄なコストではないでしょう。


(3)ライセンサーのリスクヘッジの観点から

 他方、ライセンサーの立場から見れば、特許権といった権利は、
無効審判などによっていつ無効になるか分からないという側面も否
定できません。

それで、特許実施許諾契約を締結する場合、対象となる特許発明に
ついて無効理由の不存在などは保証しないという、「非保証」の規
定を契約に含めることは検討に値するといえます。

またこれに関し、対象となる特許発明が無効となっても、過去の実
施料の返還義務を負わないという規定も含めることが実務上は多い
といえます。




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