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コラムの泉

産業医の視点による『報告・連絡・相談』について

カテゴリ
労務管理  >  労働安全衛生
最終更新日
2018年06月07日 14:12
著者
株式会社産業予防医業機構 さん
ポイント
7,157ポイント
ポイントランキング100

 こんにちは、産業医・労働衛生コンサルタントの朝長健太です。
 産業医として化学工場、営業事務所、IT企業で勤務し、厚生労働省において労働行政に携わり、臨床医として治療を行った複数の健康管理の視点で情報発信をしております。
http://hatarakikatakaikaku.com/
 今回は、「産業医の視点による『報告・連絡・相談』について」コラムを作成しました。
 労働衛生の取組を行うことで、従業員に培われる「技術」「経験」「人間関係」等の財産を、企業が安定して享受するためにご活用ください。

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産業医の視点による『報告・連絡・相談』について
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 産業医の面談等を行っていると、上司は、「部下が『報告・連絡・相談』をしない。」と憤っており、一方で、部下は「上司に『報告・連絡・相談』しているのに、叱られる。」と嘆いているという問題が多々ありました。
 面談で情報収集する中で、『報告・連絡・相談』が提唱された時代背景(1980年代)を考慮に入れて取組を行ったところ、良好な事例を認めることができました。
 『報告・連絡・相談』が適切に活用されていない現場の背景と対策の良好事例を示させていただきます。

1.『報告・連絡・相談』が適切に活用されていない現場の背景
 『報告・連絡・相談』が提唱された1980年代のOJTは、「仕事は盗んで覚えろ。」「後ろで黙って見ておけ。」等といった、視覚的指導を重視する文化がありました。そこに、『報告・連絡・相談』という言語的指導の必要性が提唱され、相乗効果により成果がでたと考えられます。
 現在は、『報告・連絡・相談』が一般的になったことによって、上記のような問題が発生している現場では、以下の2点が認められました。
(1)『報告』の前の『挨拶』がない
 入社時のOJT等で、『報告・連絡・相談』の必要性を強調された部下が、上司に対して『報告』を最初に行っていました。上司としては『報告』を受ける心理的な準備ができていないことから、後回しにしたり苛立ちを部下にぶつけることになっていました。
(2)視覚的情報共有がされていない
 現在は、システムの高度化と機密性向上の理由で、現場から視覚的情報を得る機会が大幅に低下しています。また、事務作業も各自のパソコンの中で仕事が進むため、その点で見て真似ることはほぼ不可能な状況になっています。

2.良好事例
(1)『挨拶』運動
 ストレスチェックの結果が事業所内で最も悪かった部署に対して、『挨拶』運動を行い上司と部下間で声かけをする際に、一言挨拶をかけることを徹底しました。
 その翌年度には、ストレスチェックの結果の改善が認められ、当該管理職から上司と部下間のコミュニケーションが良くなったとの評価が得られました。
(2)『報告』は進捗から行う
 「上司に『報告』をしたら怒られる。」と訴えていた部下に対して、『報告』をする際は進捗から行うように指導しました。
 進捗の段階で『報告』できることから、部下の報告の頻度が増え、上司が業務の流れを把握しやすくなりました。さらに、情報共有がスムーズになったことから、OJTの効率も向上しました。
(3)視覚的情報を共有しながら『報告・相談』を行う
 工場内の業務に関して『報告・相談』する際に、上司から「何を言っているのか分からない。」と度々言われる部下に対して、『報告・相談』をする際に、業務の概要を示した図や設計図等を上司に示すように指導しました。
 視覚的情報が共有されることから、視覚的指導と言語的指導を同時に行うことでOJTの効率が向上し、情報共有のスピードもアップしました。
(4)『確認』を行う。
 『報告・連絡・相談』した後に、上司に確認なく実行する部下に対して、実行前には必ず確認するように指導しました。
 その結果、危険行為が上司の確認なく行われていたことが発覚し、対策がとられたことで安全職場の形成に繋がりました。

3.視覚的指導と言語的指導を共有したフロー案
 『報告・連絡・相談』が上手くいっていない場合は、教育の段階で『挨拶→進捗の報告→見て学ぶ→見ながら相談→確認』のフローで情報共有を行うよう指導を行ってはいかがでしょうか。
 上司と部下は世代が異なることから、常識を醸成する背景は異なってます。『報告・連絡・相談』は提唱された当時は、時代に合ったOJT手段でしたが、部署によっては常識の溝を埋める手段になっていないのも事実です。
 『報告・連絡・相談』という一つの手段にこだわらず、様々な手段を試し、良好事例を水平展開することは、労働安全衛生上、必須の取組といえます。



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