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コラムの泉

スタートアップの人事・労務 6 就業規則 作成時のポイント

カテゴリ
労務管理  >  労働基準法
最終更新日
2018年11月16日 12:08
著者
社会保険労務士 田中事務所 さん
ポイント
583,019ポイント
ポイントランキング100

こんにちは。社会保険労務士の田中です。
渋谷を中心にスタートアップ企業の支援をしています。


☆☆ スタートアップのための人事労務 ☆☆

このコラムは、成長ステージにあるスタートアップ企業に
人事労務面のアドバイスをご提供しています。

スタートアップ企業を対象とした無料相談も実施しています。

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☆☆ 第6回 就業規則を作成するときのポイント ☆☆

今回は、スタートアップが就業規則を作るときのポイントをお伝えします。

就業規則には、労働基準法労働安全衛生法などの守るべき
ルールを定めますが、経営者の考えも反映させることができます。


☆☆ 就業規則に盛り込むべきルールは何か? ☆☆

まず、就業規則には「絶対的記載事項」「相対的記載事項」があります。
労働基準法 第89条 作成及び届出の義務)


「絶対的記載事項」とは就業規則に必ず規定する以下の項目です。
 ・始業及び終業の時刻、休憩時間休日
 ・賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期
 ・昇給に関する事項
 ・退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

「相対的記載事項」とは定める場合は就業規則に規定する以下の項目です。
言い換えれば、定めるかどうかは会社が自由に決められるが、
定めるならば就業規則にきちんと記載しなさい、という項目です。

 ・退職金
 ・賞与
 ・安全衛生について(法を上回るヘルスケアなど)
 ・教育訓練について(会社独自の教育プログラムなど)
 ・災害補償・業務外での病気・けがのケア関係
 ・表彰及び制裁の種類などに関する事項
  ・その他、会社として導入したいルールに関する事項


☆☆ スタートアップであればここは押さえたい! ☆☆

通常、100条文近い就業規則ですが、必ず押さえておきたい
いくつかのポイントがありますのでお伝えします。

1 服務規律
相対的記載事項なので、法的に定める義務はありません。
しかし、「服務規律」はしっかりと規定することをお奨めします。

服務規律は会社から従業員へのメッセージとなります。
まさに経営者の考えを形にする重要な項目です。

「このような事をして欲しい」あるいは「このような事をしてはいけない」
などと明確にすることで、会社の求める従業員像を示すことができます。
また、経営者や管理職が従業員を注意指導する際の根拠とできます。

従業員を注意する事はエネルギーが必要でついつい避けがちとなり、
何らかの理由をつけて見過ごすことも多くなります。しかし、根拠があれば、
就業規則にはこう書いてあるのだが」と、少しは注意しやすくなります。

2 懲戒規定
労働基準法でいうところの「制裁」のことです。
懲戒規定は使わないことが望ましいのですが、多くのスタートアップが、
創業して数ヶ月程度で、問題社員の取り扱いに頭を悩ませます。

多くが最終的に問題社員退職という形で決着を見るのですが、
その時に「解雇」「退職勧奨」という終わり方をすることもあります。
解雇」するには、懲戒規定にその理由を明記しておく必要があります。
明記していなければ、「解雇無効」となりかねません。

労使トラブルが発生する前にきちんと整備しておくべき重要なところです。


3 変形労働時間制
スタートアップでは「9時から18時」という固定的な勤務よりも、
フレックスタイムなど柔軟な勤務にすることが多いです。
まず、最初は「9時から18時」でスタートして、状況を見ながら、
フレックスタイム制などの変形労働時間制に移行できるように、
就業規則には最初から変形労働時間制を規定すると良いでしょう。


4 厳しめに作成しておく
就業規則雇用条件がマイナスになる「不利益変更」が困難です。
労働者保護」という考え方が前提にあるからです。

従って、最初は少し厳しめに作成した方が良いでしょう。
その上で、必要に応じて運用を緩めにするなど工夫してください。
ただし、運用と就業規則の原則があまり長期間にわたって乖離すると、
緩めの運用が「労使慣行」として正式なルールになりかねません。
就業規則の原則から離れるのは一時的なものとしてください。


5 柔軟性を持たせておく。
あまり細かく定めすぎると、会社側も窮屈になってしまいます。
従業員が10人になるまでは、就業規則労働基準監督署へ届け出る
必要もありませんし、スタートアップとして創造的な雰囲気を
大切にしたいこともあるでしょうから、会社の日々の状況を見ながら
規定を変更できるように柔軟性を持たせると良いでしょう。


6 就業規則従業員に説明する。
 就業規則に限らず、従業員との対話は重要です。
特にスタートアップは、ビジネスの新規性や、経営者の個性に
可能性を感じて、入社した従業員が多いでしょうから、
経営者から直接に方針や考え方を伝えることが大切です。

就業規則については会社の基本ルールや従業員の権利に関する部分を
説明する事で従業員は安心します。一方、従業員の義務として服務規律
関する部分もしっかりと説明して、労使トラブルの予防のためにも
懲戒の部分も「そういう事は無いだろうが念のために」と前置きして
伝えておくと良いでしょう。

 就業規則は、会社と従業員それぞれの「権利と義務」が定めてあります。
お互いに権利を主張するだけではなく、まず義務を守るべきでしょう。
 

7 定期的に見直しをする。
就業規則は一度作ったら終わりではありません。
法改正や社会の動きに合わせることはもちろん、
会社の状況変化にも合わせて見直しをしていく必要があります。
できれば法改正のタイミングの他、1年に1回程度は見直したいものです。


☆☆ 就業規則を作ったらどうするか? ☆☆

10人未満であれば労働基準監督署への届出義務はありませんが、
届け出をすると労基署が表紙に受理印を押してくれます。

これで「労働基準監督署がきちんと受理した就業規則」という事が分かり、
就業規則の信用性が増します。(「お墨付き」ということですね。)

一方、「うちの社員はあまり、そういう事を気にしない」のであれば、
前述のように就業規則に柔軟性を持たせるために届け出をしない、
という選択肢もあります。

届け出する場合は、「就業規則(変更)届」と従業員の「意見書」を
2部ずつ作成して提出してください。

1部は労基署提出用、1部は受理印を押してもらい自社で保管します。

なお、「意見書」は従業員に意見を聞けば良いので、反対意見が書いてあっても
労基署では受け付けてもらえます。就業規則としても有効です。

「同意」の必要があると誤解されている事も多いのですが、
従業員の意見を聞く」ことが要件です。

しかし、就業規則に限らず、従業員の意見を全て受け入れることは、
難しいとしても、出来る限り尊重してください。


今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

☆☆☆ 就業規則の作成をお手伝いしています。 ☆☆☆
田中事務所では、就業規則の作成・見直しのお手伝いをしています。
詳細はこちら ↓

http://www.tanakajimusho.biz/page10


また、就業規則についてご関心があれば、
以前のコラムになりますが、下記もご覧ください。

☆☆☆☆☆ 『就業規則の勘所』シリーズ ☆☆☆☆☆
その1 『パートタイマーや契約社員用の就業規則も作りましょう』
http://www.soumunomori.com/column/article/atc-153786/

その2 『身元保証には期限が有ります。必要に応じて更新しましょう。』
http://www.soumunomori.com/column/article/atc-154137/

その3 『試用期間について、免除・短縮・延長の規定を検討しましょう。』
http://www.soumunomori.com/column/article/atc-154342/

その4 『柔軟な人員配置ができるように、配置転換を規定しましょう。』
http://www.soumunomori.com/column/article/atc-154622/

その5 『服務規律は、時流に合わせて、常に見直しましょう。』
http://www.soumunomori.com/column/article/atc-154902/

その6 『勤務時間中のネット閲覧・私用メールの対策をたてましょう。』
http://www.soumunomori.com/column/article/atc-155352

その7 『有給休暇の起算日を見直しましょう』
http://www.soumunomori.com/column/article/atc-162747

その8 『時間外労働の取り扱いを見直しましょう』
http://www.soumunomori.com/column/article/atc-163717

その9 『ペナルティ減額の正しい方法を確認しましょう』
http://www.soumunomori.com/column/article/atc-165654/


☆☆ スタートアップの人事労務 ☆☆
他にも、次のような解説があります。ぜひ、お読みください。

1 スタートアップの人事労務 1 なぜ、労災保険は必要か?
  http://www.soumunomori.com/column/article/atc-173536/

2 スタートアップの人事労務 2 雇用保険はどのように役立つか
  http://www.soumunomori.com/column/article/atc-173554/

3 スタートアップの人事労務 3 人を採用する前後のアクション
  http://www.soumunomori.com/column/article/atc-173565/

4 スタートアップの人事労務 4 法人社会保険の加入が法的に必須
  http://www.soumunomori.com/column/article/atc-173577/

5 スタートアップの人事労務 5 就業規則を作った方が良い?
 http://www.soumunomori.com/column/article/atc-173605/


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田中事務所  特定社会保険労務士 田中理文
(立川・渋谷・新宿 で主に仕事をしています。)

http://www.tanakajimusho.biz/

未来を拓く次世代の経営者に、当所の経験とノウハウをお伝えします。
1人からスタートして、社会に影響を与える会社になるまで、
貴社に寄り添ってサポートします。

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