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コラムの泉

辞令はどのように行なえばいいですか

カテゴリ
労務管理  >  全般  /  労働基準法
最終更新日
2007年02月15日 20:45
著者
名無し
ポイント
832,387ポイント
ポイントランキング100

(前提)
ここでいう「辞令」とは、会社が人事に関する発表を表示した書面です。
辞令というものは、特に、法律で規定されたものではありません。自然発生的に使われるようになったと考えられます。
ただ、国内だけでなく、各国で、利用されています。また、国内では大企業で使用されることが多いようです。



★★辞令はどんな場合に行なうものですか?★★


・昇格、降格、などの昇進。
・勤務先変更、店舗異動、出向、などの配置変更。
職種変更、部署異動、などの所属変更。
・入退社、転籍、などの異動。
といった日常的な人事に関する変更があった場合に使われる事が大半です。

また、
・会社貢献者に対する表彰、
逆に、
懲戒処分懲戒解雇などを含む)を行なった時、
などにも使用されます。

つまり、辞令とは従業員人事に関わる場合に使用されるものです。
その考え方が広がり、
・リストラによる希望退職の募集、
・事業所閉鎖、
といった間接的な人事に関わる内容を発表するときにも利用されます。

また、辞令の効果を期待して、人事に全然関係のない事柄を発表する場合には、社内報、などのタイトルを用い、新しい顧客の紹介、新製品の紹介、労災事故の情報、増資などの会社情報の提供、を記載して利用されています。



★★辞令を利用する効果は?★★


もともと、辞令が使用される理由は以下のとおりです。

例えば、人数の多い会社ですと、口頭では全員に伝えきれません。また、日常人事に関する変更件数自体膨大ですから、やはり口頭では無理があります。
このような会社では、「利便性」を求めて辞令を利用しています。

次の効果としては、辞令の「確実性」です。
辞令は、書面化されます。要件が記載されています。伝えたい人に、伝えたい事が誤解される事なく、伝わります。
口頭では「そういう意味で言ったんじゃないよ」と後で補正しないといけない場合があるかと思います。が、書面でしたら、その様な事は起こりません。
ただし、文章表現には、気をつけましょう。
あいまいな表現を避ける、一般的な表現を用いる、相手の立場に立った見方をして見直しをする、といった事をしないと、せっかく書面にしても、「確実性」の効果が発揮されない事になります。

次に、辞令の「存在感」にも効果が期待されます。
辞令は、本来、会社の人事に関する命令そのもの、を表わし、書類のことを言っているわけではありません。
※このイオンゼミでは、辞令が書類になっているものとして、辞令と記載しています。
例えば、部長に昇格したよ、という辞令を会社が行なった場合、辞令を書面にしていれば、伝わり方に重みが増します。
存在感が増したと言えます。
良い内容であれば従業員の励みにつながりますし、悪い内容(懲戒処分)であっても厳粛に受け止めてもらい早い時期の更正につながります。

そして、経営者が考える以上に辞令とは従業員にとって重大な意味を持ちます。それを軽々しく、口頭でつたえられるよりは、書面化し改まった形式で辞令として、発令した方が、従業員の理解を得る事にプラスにつながります。
また、会社にとっても、辞令を出す事は一種のセレモニー的な意味もあり、重要ですから、書面化した辞令の方が最適なのです。



★★辞令の効力はどうなっていますか?★★


冒頭にお伝えした通り、辞令は法律で規定された書類ではありません。
※各種の契約書採用時の労働条件通知書は、法律で根拠が定められています。なおこれらは、法的に必要な内容さえ含まれていれば、どのような書式でも有効ですし、自由に内容を増やしても構いません。
辞令はといえば、法律に根拠はありませんが、そもそも会社が、労働者に対し、人事について命令するのは当然の為、辞令の中身である「命令」は有効なのです。
辞令は、労働力のもらい方を変えることであり、「人事命令」と言えます。
会社は労働者に給与を払っています。それは労働力を得る為です。労働力を得て、経営を行なっています。
この事を労働契約と考えます。

労働契約により、会社は給与を払って労働力を得ていて、その範囲内で、会社は当然、人事命令する権利を持っているのです。
人事命令権が無ければ最大の目標である経営が実行できません。
ですから、人事命令権を持つ会社が行なう辞令の中身の、「人事命令」には効力があり、結局のところ、辞令には効力がある、といえます。
なお、辞令である人事命令は、口頭で行なっても、有効です。
※各種の契約も口頭でも有効です。

が、前述してきた様に、書面化したほうが、利点がたくさんあるので、書面にして残してください。



★★辞令は証拠能力として有効ですか?★★


辞令は充分に証拠として有効です。
それはもちろん書面化された辞令の方です。
会社が行なった辞令に対し、トラブルが起こったとします。その際、そもそも、会社が辞令を行なった事、どんな内容の辞令であったのか、という事は大変大事ですが、この事は辞令でしか証明できません。

辞令とは、会社の意思表示です。
書面化された辞令以外に会社の意思を明かす事ができるものはありません。
また、日付の証拠としても、とても有効です。

そして、書面化された辞令が無いならば、公正な話し合いができないのです。
この事は、あくどい経営者であれば、書面が無い事を利用するかもしれません。争うときの手段が無ければ労働者が文句を言えない、と思うからです。
しかし、そんな事は通りません。本当に裁判になったら、仮に辞令がなくても、裁判官は補足資料で推論してくれます。また、証言だって証拠となります。
書面化された辞令があっても、無くても、裁判時の対抗手段はあり、対抗力は変わらないのです。
そして、辞令は、証拠能力としては完全に有効ですが、違法であったり非常識な辞令は無効です。その場合、その辞令は認められません。



★★どんな辞令なら認められるの?★★


これまでの通り、会社には人事命令権があり、辞令を出して従わせる事はできるのですが、辞令の内容次第では認められないこともあります。
辞令が問題となった時の原因は、①会社が各種の法令に従っていない②人事権の範囲を超えた命令である、といった論点に集約されます。
①の場合は、法令を見てシロクロはっきりします。
②の場合は、明確な基準が無く、裁判所でしか結論が出ません。または、裁判所に行く前に、当事者で解決したり、第3者の仲裁により解決します。
 人事というものは、非常に範囲が広いのです。ですから、②の場合は法律で明記しきれない事柄の為に、もめるのです。しかも、経済情勢・社会情勢によって、会社の行ないたい人事の内容は変化しますので、法整備が追いつきません。
 永久にグレーゾーンの範囲は残ります。
その様な内容となりうる人事命令をしたい場合は、イオン社労士事務所へご相談下さい。

ポイントは、現時点の世の中で常識的な範囲であるかどうか、という事です。その常識が流動的に変化するのを専門家として常にリサーチしています。

また、冒頭に上げた昇進、配置変更などは、「成績優秀だから昇進した」「あちらの工場が人手不足なので配置転換した」というように常識的な根拠が通常存在し、その上で認められます。
これらの一般的な辞令は社会において頻繁にありますから、特に法令に記載はありませんけれども、常識的に認められる根拠かどうかだいたい判断できます。
たとえば、「成績優秀だから降格させた」「こちらの工場が人手不足だけどあちらの工場に配置転換した」というのでは、おかしいです。   このような辞令での根拠が正しいかどうかはすぐ分かります。
※「成績優秀だけど降格させた」場合は、普通、その労働者を個人的に嫌いだったり、いじめたかったり、と言う事が、本当の根拠です。この場合、その辞令はもちろん無効です。

あまり聞かないような辞令を出すときは要注意なのです。



イオン社労士事務所ホームページ
http://www.geocities.jp/igarasi001





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