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コラムの泉

【事例】疾病を持つ従業員の復職準備

 こんにちは、産業医・労働衛生コンサルタントの朝長健太です。
 産業医として化学工場、営業事務所、IT企業で勤務し、厚生労働省において労働行政に携わり、臨床医として治療を行った複数の健康管理の視点で情報発信をしております。
 さらに、健康経営に関する公的資格者のために、安価で好立地のインキュベーションオフィスも展開しています。
http://hatarakikatakaikaku.com/
 今回は、「【事例】疾病を持つ従業員復職準備」についてコラムを作成しました。
 労働衛生の取組を行うことで、従業員に培われる「技術」「経験」「人間関係」等の財産を、企業が安定して享受するためにご活用ください。
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【事例】疾病を持つ従業員復職準備
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 今回は、事業所で経験した事例を提示させていただきます。

◎過去の経緯
 40歳台従業員。2000年台後半より『慢性腎不全』で透析加療、障害者雇用開始。2010年台初頭より、『逆流性食道炎』を理由に休業し、その後も、『自律神経失調』『慢性腎不全』『高血圧』『睡眠時無呼吸』『口腔カンジダ症』『インフルエンザ』『多形紅斑、口腔内びらん』『固定薬疹疑い』を理由に、6年以上休業等を繰り返していた(単年で出勤日が20日程度の年もあり)。2010年台後半より、『頸椎症』だが、姿勢によって出現するため、姿勢調整で復職可の診断が出るも、休業は続き、半年後に主治医を変え、『頸椎症』を理由として休業していた。
 なお、就業規則を遵守していた場合、2010年台前半で休業期間満了による退職となっているはずであるが、労務管理上の整理がされていなかった。

◎弊社担当へ引き継ぎ後の対応
 弊社担当は、『頸椎症』の加療状況を経過観察し、引き継ぎ後2か月目で、本人の体調が改善したとのことで、主治医の診断書等を元に、総合的に復職可能の評価を行った。しかし、過去の経緯の通り、継続的な勤務の実績がないことから厳重な経過観察を行うこととした。結果として、復職月の出勤日は3日(うち2日は透析を理由に早退)であった。
 復職月の翌月に、主治医より、『透析が原因の血圧変動があったが、就労可能な状態』と診断書が出たが、出勤することはなかった。そこで、1ヶ月の経過観察後、主治医に対して、就労実績が認められない事実を示し、「継続勤務可能である見込み」を、産業医復職評価項目の1つとしていることを情報提供した。さらに、本人の体調変化時に、自立した対応が可能となる方法について示すよう情報提供依頼を行った。
 翌月、主治医より具体的な対応方法が示されること無く、『復職可能』の診断書が出てきたため、産業医と本人の協議の元、「業務類似課題の設定及び実行」、「業務類似課題の達成評価を含めた生活記録表の作成」、「再発防止策の作成」を具体的な復職準備案として定め、主治医に、疾病悪化につながるおそれがないかの確認依頼を行った。主治医より、不適切性の指摘がなかったため実行することとした。さらに、本人と、主治医とのやり取りも含めて情報共有を行い、休業時の復職準備に関して、専門スタッフが適切に支援を行う旨を伝えた。本人からも「頑張ります。」と意欲ある発言があった。
 翌月に、本人希望で退職となった。

◎考察
 休業を伴う加療の期間は、ストレスを最小限とするために業務から距離を置き、健康の増進のために休養に専念する必要があります。しかし、主治医が「就労可能」や「復職準備可能」等の診断を出した後の期間は、就業に耐え、再発防止の見込みが得られるだけの実績を集める必要があります。
 本事例では、本人と協議の上、復職準備案を作成し、それが本人の体調を悪化させないか主治医に確認することで、適切な復職準備の体制を整えることができました。診断書は、複数の担当者が確認することから、個人情報の逸脱した拡散がないように、最小限の情報となっています。従って、担当者の方は、産業医を通じて、本人と主治医から継続的な勤務が可能である根拠と再発防止に係る情報を収集する必要があります。
 従業員が、健康を維持増進しながら快適に働けるように、法令に基づいた適切な支援を行うことが重要です。

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