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コラムの泉

社員に昇格したアルバイトの入社起算日

◆事例:社員に昇格したアルバイトの入社起算日

 アルバイトで雇用していた者が優秀なので社員として採用する予定です。試
用期間や有給休暇退職金等の取扱いに関し、入社の起算日はアルバイト入社
日か社員採用日のいずれにすべきでしょうか。

◇回答----------------------------------------------------------------
 少なくとも有給休暇については、アルバイトとして入社した日が起算日とな
ります。試用期間退職金等については就業規則の定め方にもよりますが、社
員としての採用日を起算日とすることが一般的です。

■解説----------------------------------------------------------------
 採用形態の一方法として、アルバイトの中から優秀な者を社員として採用
ることが広く行われています。制度としてこのような方法を取っている場合、
試用期間は終了したものとして即社員として取り扱うこともあります。事例の
ケースは、たまたま優秀だったので社員採用するケースです。

 このような従業員の身分変更に関することは就業規則に規定しておくべきで
すが、規定されていない場合は個別の労働契約に基づいて判断することとなり
ます。しかしこの場合でも、アルバイト契約書には「社員として採用するこ
とがある」程度の記載しかないケースが多く、判断に困ることが多くあります。

 まず、試用期間について、アルバイトを社員へ採用する際にアルバイト中の
就労実績を勘案するのは当然ですが、就業規則に定めがない場合はアルバイト
期間を試用期間とみなすのには無理があります。
 なぜなら、通常アルバイトと社員では職務や責任度合いが大きく異なるもの
であり、そのため所定就労日、就業時間賃金体系等の労働条件は別枠で運用
されているからです。あくまでも社員としての試用期間を設けるべきと考えま
す。
 もちろんアルバイトのほとんどが社員採用されている等の実績があれば別で
すが、このような場合はむしろきちんと規定化しておくべきでしょう。
 また、アルバイト期間が相当長く、社員としての試用期間を大幅に上回るよ
うな場合は特別な事情ありとして、試用期間なしで社員採用とすることも可能
ではあります。但し前例となるので、慎重に行う必要があります。

 次に有給休暇ですが、これは社員採用日を起算日として付与することは許さ
れません。最初に入社したアルバイト採用の時点からカウントされます。
 基準法第39条には「雇い入れの日から起算して6箇月間継続勤務」とあり、
雇い入れの日はアルバイト、臨時、社員の別なく、最初に雇用された日が適用
されます。従って、途中で身分が変更となっても雇用が継続している限り、雇
い入れの日から6箇月後に有給休暇が発生します。

 なお、雇用が一旦終了し改めて再雇用すれば(定年後の嘱託採用等)、有給
休暇のカウントがリセットされると考えている事業主の方が多いようですが、
確かに形式的には別個の労働契約であるものの、これらは単なる企業内におけ
る身分の切替であり、実質的には労働関係が継続しているものと考えられてい
ますので注意が必要です。(S63.3.14基発第150号通達

 関連して、アルバイトには有給休暇は与えなくてよいとの誤解もあるようで
すが、有給休暇は週1日以上の就労があれば、比例付与も含めて全ての労働者
に適用されますので、念のため。

 ちなみに、週1日出勤で比例付与対象のアルバイトが5ヶ月後に正社員とな
った場合、社員採用後1ヶ月後(=アルバイト採用後6ヶ月後)に10日の有給休
暇の付与となります。有給休暇は付与基準日に発生しますが、この場合基準日
には社員となっているので社員としての有給休暇日数を与えなければなりませ
ん。アルバイト期間の比例付与日数と社員期間との按分はできないこととなっ
ています。

 最後に、退職金人事評価等における起算日の問題ですが、賃金体系等の問
題もあり社員採用日からとするのが適切でしょう。
 なお、労働条件にもよりますが、社会保険雇用保険は一般的にアルバイト
は加入させていないことから、社員採用日に加入させることとなります。


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